長崎県神社庁 畳破り

畳破り【諫早市白浜町 八幡神社】

8.gif 諫早市街地を離れ長田を過ぎた白浜町に鎮座するのが、畳破りが行われる八幡神社である。

 行事は正月15日。近くの公民館に集結した上半身裸の藁帽子をかぶった若者衆が、威勢よく境内に走り出て、まず拝殿の内と外と二手に分かれる。拝殿入口に畳を立て、外側の若衆は境となった畳を破って中に入り込もうとする。
 内の者達は必死になってそれを防ぐ。そのうち外の若衆が内に入り込むと、誰れ彼となく内に籠もっている者達の身体に藁をこすりつける。

 この荒い行事は、外の者達は鬼であり、人間界に入り込み、稲藁をこすりつけることによってその年の稲霊を授けることを意味している。その霊力をいただくことによって、実り豊かな稲を作ることが出来る、言わば "春来る鬼の行事" と言える。

 畳破りが終わると、拝殿奥に坐した宮司を若衆達がかかえあげ、的を射る座にすえる。まず宮司が3本矢を射た後、今度は子供達によって的めがけて矢が射られる。矢の当たり具合によってその年の作柄を占う行事である。

 この歩射による作柄を占う行事は、同市内破籠井(わりごい)の熊野神社でも百手祭りとして行われるが、この八幡神社ではその行事が拝殿内で執り行われる点で、古い遺形を残していると思われる。この日、参道には多くの露店も立ち、白浜地区は終日お祭りで賑わう。